
2020年11月16日 神戸電鉄 有馬口~有馬温泉
先週の事ですが、度々訪れた有馬街道。この日も曇の多い空での撮影でしたが、奇跡的に晴れ間が見え、紅葉の色が映えました。
季節ごとにその表情が変化する落葉樹の色を表現するには、日光が最高の演出となります。特にこの季節の紅と黄色は発色が良く、ハイライトとシャドウのコントラストがはっきりと出るので、画面が締って見えます。
写真はライティングが要だと言われる事もありますが、時に鉄道写真にしても同じ事が言えるのではないでしょうか。
・陰影のコントラストをはっきりさせたい
・彩度や発色を豊かにしたい
・順光で光線状態が良い
・明るい写真を撮りたい
・被写体に光を当てたい
この様な条件下で撮影する際は、晴れている方が良いかと思われます。ただし、シャッターを切るタイミングを間違えると、車体の顔と呼ばれる前面に柱や木などの影が落ちるリスクがあるので、事前に影の位置を確かめておいた方が無難でしょう。

2020年11月19日 有馬温泉~有馬口
一方で、敢えて曇り空を狙って撮影するというのも一つの手法と言え、同じ構図で撮影しても随分と違った表情を捉える事が出来ます。特に、光線状態が悪い際に用いる事が多く、下記の様なシーンで使うと効果的でしょう。
・陰影のコントラストを抑えたい
・逆光になり面が黒く潰れる
・風景の中に建物や木の陰で黒く潰れる箇所がある
・架線柱などの影がゴチャゴチャして、全体的にうるさい
・影の部分も明るく表現したい
・その他、晴れていると不都合が生じる
晴れている時とは違い、画全体がソフトな表現で描写出来ます。
この様に、晴れ・曇りという気象条件を巧みに利用し、自分が思い描いたイメージの一枚を切り取る。これを心掛けるだけで、ワンランク上の作品が出来ますね。
なお、光線状態につきまして、必ずしも順光でなければならないという決まりはありません。敢えて逆光で撮るというのも一つの表現方法ですから、色々試してみるのも良いでしょう。逆光撮影に関しては、またいつか取りあげます。