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紅葉の有馬街道

78mm(トリミング) F/9 1/400秒 ISO-400
2020年11月16日 神戸電鉄 有馬口~有馬温泉

先週の事ですが、度々訪れた有馬街道。この日も曇の多い空での撮影でしたが、奇跡的に晴れ間が見え、紅葉の色が映えました。

季節ごとにその表情が変化する落葉樹の色を表現するには、日光が最高の演出となります。特にこの季節の紅と黄色は発色が良く、ハイライトとシャドウのコントラストがはっきりと出るので、画面が締って見えます。

写真はライティングが要だと言われる事もありますが、時に鉄道写真にしても同じ事が言えるのではないでしょうか。

・陰影のコントラストをはっきりさせたい

・彩度や発色を豊かにしたい

・順光で光線状態が良い

・明るい写真を撮りたい

・被写体に光を当てたい

この様な条件下で撮影する際は、晴れている方が良いかと思われます。ただし、シャッターを切るタイミングを間違えると、車体の顔と呼ばれる前面に柱や木などの影が落ちるリスクがあるので、事前に影の位置を確かめておいた方が無難でしょう。

 

78mm(トリミング) F/9 1/200秒 ISO-400
2020年11月19日 有馬温泉~有馬口

一方で、敢えて曇り空を狙って撮影するというのも一つの手法と言え、同じ構図で撮影しても随分と違った表情を捉える事が出来ます。特に、光線状態が悪い際に用いる事が多く、下記の様なシーンで使うと効果的でしょう。

・陰影のコントラストを抑えたい

・逆光になり面が黒く潰れる

・風景の中に建物や木の陰で黒く潰れる箇所がある

・架線柱などの影がゴチャゴチャして、全体的にうるさい

・影の部分も明るく表現したい

・その他、晴れていると不都合が生じる

晴れている時とは違い、画全体がソフトな表現で描写出来ます。

 

この様に、晴れ・曇りという気象条件を巧みに利用し、自分が思い描いたイメージの一枚を切り取る。これを心掛けるだけで、ワンランク上の作品が出来ますね。

なお、光線状態につきまして、必ずしも順光でなければならないという決まりはありません。敢えて逆光で撮るというのも一つの表現方法ですから、色々試してみるのも良いでしょう。逆光撮影に関しては、またいつか取りあげます。


紅葉シーズン真っ盛り

230㎜(トリミング) F/8 1/1600秒 ISO-800
2020年11月19日 神戸電鉄 有馬口~五社

地元の神鉄撮影地をロケハンしていたら、偶然にも我が自宅ご近所さんの同業者さんに出会いました。

紅葉シーズンに突入しておりますが、なかなか時間が取れず思う様に撮影出来ません。黄金色に染まる木々達は待ってくれないのでしっかり撮りに行こうと思います。


眼鏡紳士、秋の味覚を横目に

130㎜(トリミング) F/6.3 1/2500秒 ISO-800
2020年11月3日 神戸電鉄有馬線 箕谷~谷上

神戸は港湾都市というイメージですが、それは市内全域のごく一部。同じ神戸市とはいえ大半は内陸や山の中に住宅があり、私も同じく自然環境に恵まれた街に住んでいます。海が近い都市中心部では夏涼しく冬温かい。それが神戸の気候。しかしながら、六甲山を挟んで北側に位置する北区では、一段と冷え込みます(^皿^;)

そんな我が街にも「食欲の秋」を感じさせる風景を見つけ、ワンカットを収めてきました!!

2枚窓の先頭車両が減少する中、神戸電鉄では今も健在。眼鏡の様な顔が、愛嬌ありますね。

 

 

 

トリミングを活用

さて、写真は構図が重要な要素の一つとなりますが、この一枚におきましてもポイントがありました。それは、トリミングです。

当初私は、今回のテーマ「秋の味覚」である柿の木を出来るだけ多く入れたかったので、より左寄りの構図をとっておりました。しかしながら、写真の通り電線が多く映り込み画面全体がうるさくなってしまいます。そこで、電線が入った部分を切り取り、スッキリさせました。

鉄道写真界での巨匠である中井精也先生が「写真は引き算」と仰っております様に、画面内には出来るだけ要素を少なくする事に努める様にするとよい構図になると言われます。現在のデジカメではトリミングという便利なツールがあるので、存分に活用し、良い写真に仕上げていくのも大切な作業です。

そのためには、撮影段階で若干のゆとりを持った画角、つまりはイメージするカットよりもやや広角寄りで撮影すると後々修正が利くので、失敗が少なくなります。余計な物が映り込んでいたとしても、後で切り取ってしまえば、それが仕上がりの作品になりますので。

でも、あまりやり過ぎると画質が落ちてしまうので、ご注意を・・・(^^;)